教育ドキュメンタリー映画 「Most Likely to Succeed」をご覧になりましたか?
私は数か月前に「異才発掘プロジェクトROCKET」の上映会で観ました。
「Most Likely to Succeed」は、米国の、とある高校を舞台としたドキュメンタリー映画です。
その高校は、カリフォルニア州サンディエゴにありまして、「High Tech High」と言います。
High Tech Highは、チャータースクールと言う、公立なのだけれどもカリキュラムに自由度がある、というタイプの学校です。
こういう学校、日本にはまだないです。
だから日本人には関係ない、そう感じた方はいませんか?
もしいたとしたら、伝えたいです、そんなことはない、と。
私は、両親ともに日本人で海外居住経験も長期の留学経験もない「純ジャパ」ではありますが、映画の中に出てくる、High Tech Highに子どもを通わせている母親に、大いに感情移入しました。
どういう場面かというとですね、High Tech Highに通わせることが正しい選択なのだろうかと、母親が不安に駆られる場面です。不安げな表情に、つい「わかるー」と身悶えしてしまいました。
今、世界がものすごいスピードで大きく変わりつつあることは、ほとんどの人は理解していますが、その変化に適応できる人間をどのように育てればいいのかを理解している人はほとんどいません。
私だって、親としてはそうです。
子どもの「こうしたい」「ああしたい」「これは嫌だ」「あれは嫌だ」という「直感」(と子ども本人は表現します)に振り回される毎日です。不安になることもありますし、子どもに怒りをぶつけることだって、ないとは言えません。
でも、右往左往しながらも微かに思うんです、「なるほど、そういう判断をするのか」「たしかにそっちの方向は、この先の世の中に合っていそうだな」と。
インターネット上には、「教育ドキュメンタリー作品の中で最高峰の一つだ」(EducationWeek)はじめ、この映画をポジティブな言葉で賞賛する記事があふれています。
しかし、私は上で述べたように、親の不安に寄り添う映画という意味で「すべての親と教師が必ず見るべき作品だ」(Film
Threat)と考えているのです。